絶縁監視ソリューション


漏電監視装置とは?仕組みと必要性

漏電監視装置とは、電気設備から発生する漏洩電流を常時監視し、異常時に警報や通知を行うことで、感電事故や火災を未然に防ぐ装置です。特に工場、ビル、医療施設などのインフラにおいて、安全確保や保守の効率化を目的として広く導入されています。
労働安全衛生法や建築基準法などの関連法令では、電気設備の安全管理が義務づけられており、漏電の早期発見と対策は企業にとって極めて重要です。

漏電監視装置の役割とは

漏電監視装置の最も基本的な役割は、「人命・設備の保護」と「トラブルの未然防止」です。電気回路の絶縁が劣化することで、本来流れてはいけない経路に電流が漏れると、感電や火災、設備故障を引き起こす恐れがあります。

このようなリスクを回避するため、漏電監視装置は漏洩電流の大きさをリアルタイムで検出し、あらかじめ設定したしきい値を超えた際には即座に警報を発します。これにより、設備の異常を人が気づく前に察知でき、事故を防止できます。

結論として、漏電監視装置は「リスクを未然に防ぐためのインフラ」であり、安全を前提とする設備管理において不可欠な存在です。

弊社が提供する「漏電ポリス」シリーズでは、現場における常時監視を実現し、従来の定期点検だけでは対応しきれなかった絶縁劣化の兆候も早期に可視化。これにより、安全性の向上はもちろん、点検の効率化やトラブル対応時間の削減にもつながっています。
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漏電監視装置が注目されている背景

近年、工場やビル、病院といった大型施設における電気トラブルのリスクが高まっており、それに比例して「予防保全」の重要性が増しています。中でも漏電による火災や感電事故は、企業にとって人的・物的な損害だけでなく、社会的信用の失墜にもつながる深刻な問題です。

また、電気設備の老朽化や使用環境の多様化により、従来の定期点検だけではトラブルの兆候を見逃す可能性もあります。そのような背景から、24時間体制で微細な漏洩電流を常時監視できる漏電監視装置のニーズが高まっています。

さらに、BCP(事業継続計画)やISOの認証取得を目指す企業においても、電気設備の安全性向上は重要な評価項目です。漏電監視装置の導入は、その対策として極めて有効であり、企業のリスクマネジメントの一環として積極的に取り入れられています。

このように、漏電監視装置は「問題が起きてから対応する」から「起きる前に防ぐ」への転換を支える存在として、現場での注目度を高めています。

漏電監視装置の種類と製品比較

漏電監視装置にはさまざまな種類があり、監視方法や通信機能、設置場所、対象回路などに応じて使い分けられます。選定を誤ると、期待した効果が得られなかったり、無駄なコストが発生するリスクもあるため、特徴を正しく理解しておくことが重要です。

ここでは、主に使われている代表的なタイプをいくつかの視点で整理し、それぞれの特徴や用途の違いを紹介します。

漏電の仕組みと方式

漏電とは、絶縁が不完全な状態で、電気が地面や金属筐体などを通じて意図しない経路に流れてしまう現象です。これにより、人体への感電リスクや設備の焼損など深刻な問題が発生する可能性があります。

漏電監視装置は、この漏洩電流を数値として検出し、一定以上の電流が流れた場合に異常と判断します。検出の仕組みにはいくつか種類があり、その検出の仕組みを理解したうえで適切な方式を選ぶことが、より高度で確実な漏電対策に直結します。

監視方式の違い

漏電監視装置は、主に「I0方式」や「I0r方式」など、検出方式によって分類されます。I0方式は配線上の全体電流の差分から漏電を検出する基本的な仕組みで、幅広い用途で使用されます。

一方、I0r方式は漏洩電流の成分を分解し、より精密な検出が可能な方式であり、誤報の少なさが特徴です。

用途に応じて、必要な精度・速度・記録性能を備えた方式を選ぶことが、安全性と効率性の両立に不可欠です。



通信・連携機能の違い

近年では、漏電監視装置にもIoTやクラウドとの連携機能が求められています。特に、遠隔監視や履歴データの蓄積が可能な装置は、保守管理業務の省力化に大きく貢献します。

たとえば、ModbusやEthernet、無線通信に対応したモデルは、上位システムとの統合が可能であり、工場やビル全体の設備保全にも適しています。

選定時には、単体の装置性能だけでなく、建物や企業全体の管理体制との親和性も考慮することが重要です。

設置場所・使用環境に応じた選び方

漏電監視装置は、分電盤やキュービクルなどの屋内設備に設置されることが多いですが、屋外や高湿度環境、粉塵が多い場所などに設置する場合は、耐環境性能にも注意が必要です。

また、現場でのメンテナンスのしやすさや、取り付けスペース、電源の取り回しも選定時に確認しておくべき重要なポイントです。

製品によっては、DINレール対応、薄型設計など、特定の条件に最適化されたモデルもあるため、実際の使用環境を把握したうえで仕様を確認することが不可欠です。

漏電監視装置の導入メリット

漏電監視装置の導入は、単なるトラブル防止にとどまらず、設備の信頼性向上や管理コストの削減、企業全体のリスクマネジメントの強化にもつながります。

火災・事故防止に効果あり

漏電が引き起こすトラブルの中でも、特に深刻なのが火災と感電事故です。監視装置の導入により、微小な漏洩電流も検知可能になり、初期段階での迅速な対応が事故の未然防止に貢献します。

特に夜間や無人環境下においては、常時監視による早期対応が非常に有効です。

点検作業の負担を軽減

従来の定期点検では、異常の兆候が点検の合間に見逃される可能性がありました。漏電監視装置はこれを常時自動で補完することで、人手や作業工数の削減を実現しつつ、点検の「見える化」にもつながります。

履歴データが確認できる製品では、傾向監視による予防保全にも対応でき、効率的な保守が可能になります。

DX推進やIoT連携への足がかり

漏電監視装置は、データを活用したスマートメンテナンスへの第一歩です。クラウドやIoT連携機能により、遠隔監視・自動通知・履歴分析などが可能となり、保守の精度と効率を飛躍的に高めます。

このような取り組みは、設備保全の省人化・省力化だけでなく、企業全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にもつながります。

漏電監視装置の設置・運用方法

漏電監視装置を正しく活用するには、製品の選定だけでなく、設置や運用体制にも注意が必要です。ここでは、導入における基本的な手順や、導入後の運用ポイント、そしてよくある質問について解説します。

導入手順と工事の流れ

  1. 現地調査・ヒアリング
  2. 製品選定と仕様決定
  3. 設置工事・初期設定
  4. 試運転・稼働開始

設置は必ず有資格の電気工事士が行い、安全と法令順守を担保します。

クラウド・ネットワーク対応

クラウド対応している機器では、遠隔地からの監視、異常の自動通知、履歴分析などが可能となります。これにより、保守業務の効率化や対応スピードの向上が期待されます。



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