絶縁監視装置 TLD-2
製品概要
- True R方式によってIorを演算。静電容量の影響を取り除き、真に重要な絶縁劣化を的確に捉えます。
- 通電中において漏電監視可能(設備の停電・停止不要)
- RS-485通信対応(Modbus RTU)
- 最大2回路同時監視
- Io/Iorによるアラーム判定、しきい値の設定が可能
- LCD表示付きでリアルタイム表示
- DINレール対応・省スペース設計(146×118×63mm)

※上記図は一例です。実際の監視方法に応じて、適切に配線ください。
※系統別や設備別での監視も可能です。詳細については、お問い合わせください。
※True Rは株式会社So Brainの登録商標です。本製品は株式会社So Brainの特許ライセンスを受けています。
製品特長
高精度の漏電検知(True R方式)

Ior方式の中でも高い検知精度であるTrue R方式を採用しており、漏電や絶縁不良の微細な変化も逃しません。漏電の状態を正確に把握し、設備の安全性を確保します。
※True Rは株式会社So Brainの登録商標です。本製品は株式会社So Brainの特許ライセンスを受けています。
漏洩電流Ioには2つの成分があります(Ior成分,Ioc成分)
Ior方式では、危険成分Iorを特定して監視することで、従来の監視機器で発生する過剰検出や誤検知を防ぎます。

単相では絶対に変わらないIo>Iorの関係ですが、三相Δ結線では逆転する現象が起こります。この現象はIo方式では検出できないため、Ior方式での検出が重要となります。

最大2回路(2ch)を1台で同時に監視可能

TLD-2は、最大2chまでの漏電監視を1台で対応。
従来は2台必要だった場面でも、設置台数の削減や盤内スペースの有効活用が可能になります。
さらに、CH1/CH2それぞれに個別のしきい値・電路設定・アラーム出力が可能です。
導入効果
漏電による事故・火災・故障の防止

絶縁劣化による漏電は、設備トラブルや感電・火災といった深刻な被害を引き起こすリスクがあります。
TLD-2はその「予兆」を早期に検知し、日常業務に支障をきたす前に対応可能。
安全・安定・信頼の3つの視点から、社員の命、設備資産、そして顧客との関係性までを総合的に守ります。
点検工数の削減

人の手に頼らない“常時監視”が、設備を守ります。TLD-2は、自動で絶縁状態を監視するため、定期点検のたびに手動測定を行う必要がなく、作業者の負担を大幅に軽減します。さらに、点検時に接続機器へ触れることで起こるヒューマンエラー(接触不良や破損)から人・設備を守ることにもつながります。
データ化によるDX推進(傾向監視)

RS-485(Modbus RTU)通信によって取得した漏洩電流データをデジタル化し、上位システムと連携することで、設備の傾向監視(トレンド分析)を実現します。
蓄積された測定データをもとに、漏電の増加傾向や異常値の兆候を定量的に可視化できるため、これまで「発生してから対応していた」漏電トラブルに対して、予兆段階での検知と対策が可能になります。
用途例


キュービクル・分電盤・制御盤などの電気設備に対応しており、多種多様な施設で導入いただけます。
- 工場・製造業
- オフィスビル
- 商業施設・ショッピングモール
- インフラ・交通施設 など
【動画】True R方式による高精度な漏電検出
動画提供:株式会社So Brain
※True Rは株式会社So Brainの登録商標です。
※TrueR方式(通称名)は、自家用工作物保安管理規定において「Ior方式」に分類されます。
正式名称は「ベクトル理論 Igr方式」としているため、動画内では絶縁抵抗分 Ior を Igr、静電容量分 Ioc を Igc と表記している箇所がございますが、これらは同一の意味としてご理解いただきますようお願い申し上げます。
(導入編)True R方式による漏電監視の必要性
(理論編)漏電監視方式True R 解説
製品仕様
型式:TLD-2

TLD-2は、低圧電路における漏洩電流の監視を、設備の電源を停止させることなく実現する高精度な絶縁監視装置です。
単相・三相に対応し、最大2回路の同時監視が可能。RS-485通信(Modbus RTU)による上位システムとの接続や、接点出力によるアラーム通知機能も標準装備。確かなデータと操作性で、現場の安全・効率を支援します。
項目 | 仕様 |
---|---|
適用電路 | 単相(2線式、3線式)、三相デルタ結線(S相接地)、三相スター結線(中性点接地) |
計測電路数 | 2電路 |
測定対象電路 | 単相・三相3線(デルタ結線)・三相4線(スター結線) |
基準電圧 | 推奨入力範囲:AC100~400V、測定可能範囲:AC100~600V |
漏洩電流(Io) | 推奨入力範囲:AC0~1000mA、測定可能範囲:AC0~4000mA以上(ZCT1000巻の場合) |
使用温湿度 | 雰囲気温度 0~50℃、湿度 80%RH 以下(但し結露なきこと) |
使用高度 | 地上 1000m 以下の屋内 |
表示内容 | LCD デジタル表示(バックライトあり) |
アラーム機能 | 閾値電流:10~2000mA(Io または Ior)、時間:0~300秒 |
通信機能 | RS485(Modbus RTU) |
測定周期 | 1秒 ±50ms |
接点出力 | a1:CH1 アラーム、a2:CH2 アラーム、b1:装置異常 |
電源 | 定格 DC24V(20V~28V) |
消費電力 | 約12W |
外形寸法 | 146mm × 118mm × 63mm |
重量 | 本体重量:1kg・DINレールユニット重量:0.4kg |
Q&A
Q. なぜ、TLD-2では信頼性の高い監視ができるのですか?
ベクトル理論True Rの特許技術を採用することで、高精度なIor監視を実現しています。
Ture R理論の詳細については、こちらの動画もご確認ください。
※True Rは株式会社So Brainの登録商標です。
Q. すでに別の絶縁監視装置を使用していますが、TLD-2に置き換えるメリットは何ですか?
従来の絶縁監視装置では、以下のような課題が発生することがあります。
・静電容量成分や高調波ノイズの影響が大きい環境では、誤警報が発生しやすく、正確な漏電検出が困難
・測定値の確定に時間がかかるため、間欠的な漏電を見逃す可能性
・一部の異常状態に対応できない(例:接地相以外の2相同時地絡、IoとIorの逆転など)
TLD-2は、これらの課題を解決し、より信頼性の高い監視を実現します。
True R方式によるIor演算や、ノイズ耐性の高い設計により、誤警報の低減と異常検知力の両立を可能にしています。
Q. Ior方式での基準電圧とは何ですか?
Ior方式における基準電圧とは、漏電電流(Ior)を正確に検出・解析するために必要な電圧信号のことを指します。
Ior方式では、電圧と電流の位相差を利用して漏電を検出するため、基準となる電圧信号が必要です。この基準電圧をもとに、漏電電流(Ior)の大きさや方向(位相差)を高精度で測定することができます。例として、三相デルタの場合ではR相およびT相にて基準電圧を取得します。
Q. 絶縁監視装置はどこに設置するのですか?
絶縁監視装置は、キュービクルなどの高圧設備(測定は低圧電路)に加え、配電盤や分電盤など監視が必要な場所に応じて柔軟に設置されます。監視の目的や範囲に合わせた最適な設置が可能です。